メタエンジニアリング


メタエンジニアリングとはなにか
 いま、私たちの社会はイノベーションを、それも、従来日本が得意としてきた改善の積み重ねによるイノベーションに加えて、ブレイクスルー型のイノベーションを必要としています。

 私たちは、さまざまな社会課題と、人文社会系を含む科学や工学技術、さらには芸術を俯瞰的視点からとらえ、課題の「なぜ、何を、どのように」を明確化し、解決策を提案し、社会に実装してゆける、イノベーション創出型の新しいエンジニアリングの姿を、そしてそのような活動の場の創出を目指して、活動しています。

 このような新しいエンジニアリングを「メタエンジニアリング」と呼ぶことにしました。英語ではMeta-Engineering と表記します。

 活動のルーツは、(公社)日本工学アカデミーのプロジェクト活動にあります。

動画説明をご覧ください。

概要

メタエンジニアリングの定義

顕在化している社会課題やニーズに対し、なぜ課題やニーズなのかを問うことによって解決されるべき課題やニーズを定義し、課題やニーズ解決に必要な知と感性の領域を特定し、それらの知と感性を統合・融合することにより解決案を創出し、社会とのエンゲージメントにより解決案の社会実装を図ることによって、革新的社会価値を創出するエンジニアリング。


概念図


プロセスと場の定義

概念図に示す4つのプロセス(プロセス移行サイクルをMECIと称する)と「場」を次のように定義する。

Mining(潜在する課題の発見):  顕在化している社会課題やニーズに対し、なぜ課題やニーズなのかを問うことによって解決されるべき課題や満たすべきニーズを定義するプロセス。

Exploring(必要領域の特定・育成):  Miningで見出した課題の解決やニーズへの対応に必要な知と感性の領域を俯瞰的に特定するプロセス

Converging(領域の統合・融合):  Exploringのプロセスで特定された領域の知と感性を、統合・融合することにより解決案を創出するプロセス。

Implementing(社会価値の創出と実装):  Convergingのプロセスで創出された解決案を、社会とのエンゲージメントにより社会実装を図ることによって、新たな社会価値を創出するプロセス。

“Ba” (場):MECIの個々のプロセスの機能、及びプロセス間の移行を促す作用を持つ基盤。
*「場」の英語表現に苦慮しています。場があるからこそ、MECIのプロセスサイクルを回せる。プロセスを提案しただけでは、イノベーション創出にはつながらない。プロセスサイクルを回りやすくする「場」のあり方を追求したいと思っています。
現時点では"basis" を充てるのがよいかとも考えています。このサイトを訪れてくださった方のご意見、ご指導をいただきたいと考えています。


より詳細な説明

上の各項には注記を含めてより詳細な説明があり、次の文献に掲載してある。

鈴木 浩・大来雄二・小松康俊・永田宇征・石井 格:「根本的エンジニアリング(MECI)の提唱」

国立科学博物館研究報告 E類(理工学)、Vol.36, pp.39-66 (2013)